「なんで勉強するの?」と訊かれたら 2015.10-11

 この仕事をしていると、毎年必ずと言っていいほど、このような質問を投げかけられます。「大人になって、方程式とか、使うことってないじゃん」とも。そんな時私は「そうだね。その通りだよ。学校や塾の先生にでもならない限り、まず使うことはないよね」と答えるので、大抵の生徒は面食らった顔をします。それじゃぁなぜ、勉強するのか。

人生は、予測不可能なことにぶつかり、それを乗り越えていくことの繰り返しです。そんな時、私たちは、今までしてきた経験をもとに、どうすればよいか考え、最善の結果になるように対処をしていきます。

脳みそが柔らかい若い時期に、たくさん頭を使って考える訓練をしてきた人は、何かにぶつかった時に、自分で考えて行動する力が備わっています。だけど、頭を使わないで生きてきた人は、いざというときに考えることができない。だから、方程式を使うことはなくても、頭をこねくり回して一生懸命勉強し、考えたことは、必ず将来の自分に役立つと思うのです。

もうひとつ。これは主に高校受験生に向けて話すのですが、おそらく人生において全ての人が最も勉強する時期が中学3年生の1年間です。受験する人が限られる大学と違い、ほぼすべての人が高校へは進学するからです。

この時期に、死に物狂いで勉強を頑張れた人は、この先の人生で何か大変なことに出会っても「高校受験の時、あんなに頑張った自分だから、これくらいは」と、何事にも逃げずに頑張ろうとする力が備わる。頑張りは必ず自分への自信につながり、糧となり、自分の人生においてかけがえのない財産となるのです。

 私は、今までたくさんの受験生を見てきましたが、結果云々でなく、やることもやらずに後悔することほど見たくないものはありません。「勉強しかしなかった。あの頃に戻るのだけは、勘弁だよ」人生の中に、そんな風に言うくらい死に物狂いで勉強に取り組む時期があってもいいと思いませんか。

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