青ぽ連載

頭の中に木を育てよう! 2017.10

   

 勉強に暗記は切っても切り離せないものですが、勉強ができる子は体系化、グループ化を頭の中できちんとしています。キーワードを一つ上げるとそれに関連する言葉がいくつも出てきたり、いわば頭の中に大きな木があるようにその中で最も大切な幹の部分と枝葉の部分、根っこの部分という分類も自分の中できちんと整理されていて、取り出しも簡単なのだと思います。一方暗記が苦手な子は、覚えたことがすべて葉っぱのように、大事なこともそうでないことも、バラバラに並んでいます。これではいざどれを使うか取り出すにも大変ですね。極端な話、リンゴがみかんに変わっただけで算数の式を変えてしまう子供も実際にいます。

高校時代、倫理の先生が教科書1冊の内容が3枚程度のプリントに体系化されるプリントをくれました。暗記が苦手な子は人の話を聞くときも、ノートまとめをするときも、樹木のどこに当たるのかを分類しながら聞いたりまとめる癖をつけ、頭の中を関連すること動詞つなげていくことができるようになると、膨大だと思っていた情報をまとめで覚えることができるようになり、暗記が格段に楽になっていくはずです。 t,{sh

学習計画を管理する1冊の手帳 2017.9  

   学習計画を管理する1冊の手帳  

 以前、学習内容を毎日記録しよう、という話をしことがありましたが、今回はそれをバージョンアップさせたお話です。受験前、よく点数が伸びていた子が、「毎日今日やることを紙に書き出して、終わったら線で消していき、終わるまでは寝ない」と言ってました。勉強は計画が大切で、計画を立てなければテスト直前に大量にやり残しを生む羽目になってしまいます。

それを解決するのが1冊の手帳。1か月のカレンダーでもよいかもしれません。それに、1週間先くらいまでの計画を立てましょう。ポイントは、子供に決めさせることです。誰でも、も自分で決めたことの方がよく取り組むからです。そして、終わったら赤ペンで線を引き、消していきます。終わらなかった場合は消さずに次の日以降にできなかった内容を落としこんでいけば、計画の修正も容易です。保護者の方は、その余白に励ましの言葉を書き込んだり、シールを貼ってあげると子供のやる気もますますアップします。

自分で学習の計画を立て、取りくみ達成することは、将来とても役に立ちます。勉強はもちろん大切ですが、それを通して社会に出た時に役立つ力をつけていくことがより大切ではないかと思います。 (n);if(n

自己肯定感を育てるほめ方叱り方② 2017.8

   

 前回、ほめて育てた方が、長い目で見た場合子どもの自己肯定感をはぐくみ成績も上がる…というお話をしました。でも、毎日生活していると、ほめてばかりもいられないよ…というのも本音でしょう。

そこで今回は叱るときも、自己肯定感を損なわない工夫をお話しします。ポイントはいたってシンプル。youではなくIで叱るというだけです。つまり、「あなたが」とか「本当にお前は…」などと言うとどうしても相手の人格そのものを否定する言葉につながりかねず、子どもは自分自身がダメな存在なんだ、と受け取ってしまいかねないので、たとえば「…されてお母さんはショックだった」「そんなこと言われてママは悲しい」など、自分を主語にして話すだけで、行動のみに非を向けることができるのです。(そしてこれは、褒めるときにも言えるのです。)

叱るのは愛情があって心配だから。だけど、子どもも独立した人格を持った存在なので、頭ごなしに否定するような叱り方では子どもの自己肯定感が育たずに逆効果です。叱る中にも子ども自身のことを否定せずに認めてあげることで、子どもは自分に自信を持つことができ、のびのび育っていくと思います。 kd

自己肯定感を育てるほめ方叱り方① 2017.7

   

 ほめて育てるか叱って育てるか。勉強の場面でもしばしば議論が分かれることと思いますが、わたしは間違いなくほめて育てるほうが子どもは伸びると信じています。中国ではタイガー・マザーと言って子どもを完全にコントロールして育てる母親が一時期話題になりましたが、確かに目先の成績は上がるかもしれません。しかし、長い目で見た場合、親が力で押さえつけて勉強をさせ続けると、子どもが無気力になったり勉強が大嫌いになるなど様々な弊害が出てくると思います。

子どもは、お母さんお父さんのことが大好きです。期待にも精いっぱいこたえようとしています。ただ、学年が上がるにつれ難易度は上がりますので、徐々に期待にこたえられなくなってくる子もいます。そのときに自分の存在そのものに価値を見出せなくなってしまい、それが無気力につながったりするのです。

自己肯定感。学習を始め子どもの能力を引き出す心の土台として、最も大切なものだと私は考えます。そしてそれを育てるには、まず、何よりもほめることが大切だと思うのです。

リビングを効果的に② 2017.6

 

 前回は好奇心を育てるリビングの工夫について書きましたが、今回はずばりリビング学習のお話。流行っていることにはそれなりの理由があるものですが、リビング学習のメリットは何と言っても「学習の様子が目に見える」こと。部屋に入ってしまえば何をしているかわからないという悩みはある程度解消されるでしょう。ただ、常に隣に座って子供の学習に付き添う必要はありません。勉強は結局自分で何とかするもの。そのような学習はいずれ限界を迎えるからです。

保護者としては、学習量と内容をチェックしてあげるとよいでしょう。効果が出ていない子は、時間は十分でも解いている問題量が少ない(要するに集中して学習できていない)とか、やりっぱなしでまるつけも解き直しもしないなど、問題点がたいてい見つかります。

そして、食事等で中断するときにはすぐにさっと片付けられて、再び取り組めるように、大きなかごなどの入れ物を一つ用意して、そこに放り込むだけで片付く仕組みを作ることも大切。リビング学習専用の机を用意しなくても、十分子供が学習しやすい環境を整えてあげられるのではないかなと思います。

リビングを効果的に① 2017.5

   

 今更珍しい話ではないのですが、成績が上がっている子の中にはリビングで学習している人が多く、リビング学習のスペースがある家がこのところ流行しているようにも思います。わたしは、子供が安心、集中して学習できるのであれば場所はどこでもよいと思うのですが、普段の生活でも勉強と子供が思わない方法で知的好奇心の芽を育てるような仕組みを、小さいうちからリビングに作ってあげることはとてもよいと思います。

それは何も難しいことではなく、小さい本棚に辞書や地球儀を置いて、気になる言葉が出てきたり、子どもに質問をされたら、一緒に調べてみるのです。今はスマホで何でも調べられますが、あえてそうじゃないものを使い、使い方も含めて学ぶ。解決ができたら「解決ができてよかったね!」「そんな疑問を持つようになるなんてずいぶん成長したなぁ」と、素直にほめてあげる。問題が出てきても解決する方法を知り、解決したときのうれしい気持ちを大切にすることが、子どもの知的好奇心の芽を育てのではないかなと思います。

母語の重要性 2017.4

  

 日本に生まれ、当然のように日本語を使う人間として、日本語ほど完成度の高い言語はない、と、しばしば日本語を大絶賛する私は日本語に母国語として出会えたことを心から嬉しく思うのですが、「母語」という言葉はご存知でしょうか。母国語よりももっと本能的なものであり、生後数年間のうちに赤ちゃんが身近でよく関わる人たちから自然に受け継いだ伝承語のことで、一人ひとり異なっています。そしてそれは、その後の人生の知的活動において、思考するうえで最も重要な、言語感覚の土台を作るものなのです。

そんな母語を形成する大切な時期は4歳程度まで。何よりも日本語できちんと母語を作ることが何よりも大切なのではないかと思っています。日本語は比較的難しい言語です。母親を英会話教室の先生に持つ元NHKの有名なアナウンサーの方が、「それなら娘さんも小さい頃から英語に触れさせられますね!」という問いに「いいえ、3歳までに母国語の9話位以上を習得すると言われているので」と答えていたことように、小さいうちはお母さんの言葉で赤ちゃんに語りかけて、日本語の土台を築いてあげることが、その後の知的活動において何よりも大切なことだと私は思っています。

姿勢を正すということ 2017.3

先日テレビでやっていたのですが、なぜ人間は人間になり得たのか?ーつまり、どこで人間は猿や他の動物と分かれ、これほどまでに高い知能を有するようになったのか、そのカギは姿勢にあると言うのです。つまり四足歩行から背筋を伸ばし、直立歩行になった事で重たい頭を支えることができ、脳を大きくすることが可能になったという事なのです。

 という事は、勉強する時にも姿勢はとても大切。確かに前屈みで猫背になると、呼吸が浅くなり、集中が長続きしません。教室でも集中力が続く子を見ていると驚くほど姿勢が良い子が多く、中には椅子の座席に正座をして背筋をピンと伸ばしている子までいます。

ただ、家庭で子どもの勉強を見るとき、学習時間や取り組み内容は気にしても、姿勢については案外二の次になってしまいがちではないでしょうか。

また、正しい姿勢を保つには、やはり机と椅子の高さを合わせる事もとても大切。進級、進学に合わせて伸び盛りのお子さんたちのために、机と椅子の高さを一度、チェックすることをお勧めします。

イットイズノットディスデイ! 2017.2

 「継続は力なり」とはよく言われることですが、実はすごく大変なことです。ことさら勉強を毎日続ける大変さは並大抵のことではありません。やめちゃおうかな…今日くらいは…色々なささやきに立ち向かう言葉として、「ロードオブザリング」という映画の一説をご紹介します。「いつか戦いに敗れ、人の時代は終わりを迎えるかもしれない。だがそれは今日ではない。恐れず戦え!」 この言葉は、すべての継続することにつながってはいないでしょうか。子供たちにとっての勉強を始め、何事も続けることはとても大変で誰しも辞めたくなる時もあると思います。ですが、その時に「いつか辞めちゃうかもしれない。でもそれは今日ではない」と、自分に言い聞かせながら一日一日、積み上げていくしかないと思うのです。そしてこれは、子どもたちだけでなく日々、子育てや仕事や食事の支度等を頑張っているお母さんたちにも思い出してほしい言葉なのです。何を隠そう、私自身今日は疲れた、、、何もしたくない、、、という時に、「もう何もできない日が来るかもしれない…でもそれは今日ではない!」と自分を奮い立たせている言葉なのですから 。

忘れられない言葉 2017.1

 以前娘が百人一首を題材にした漫画にはまり、私も少しだけ目を通したのですが、その中にハッとさせられるセリフがありました。

主人公の女の子は百人一首に関しては一流ながら、その他はさっぱりで勉強も赤点ばかり。でも同級生の男の子のほうは学業もトップで常に一番を取っています。その女の子に仲間の一人が言うのです。「好きなことを目一杯やりたいと思ったら、好きじゃないこともそれと同じくらい頑張らなくちゃいけないと思う」と。そして、「彼は1番じゃなくなったらかるた辞めるって親と約束しているから、勉強だって頑張ってるんだ」と続けるのです。

好きなことを頑張れるのは、ある意味当たり前。でも、好きなことだけやってればよいという状況は、人生の中にどれだけあるでしょう?子供たちにとっての勉強も同じ。勉強以外に大切なことはたくさんあるけど、だからと言って勉強をしなくていい理由にはなりません。やはりどちらも大切だし、どちらも頑張らなくちゃいけない。(特に夢を叶えるためにはやりたいことだけをやるだけでなく、やりたくないことも一生懸命やることが大切なのです。)回り道をしているように感じられても、それはきっと今後の人生の大切な糧となると思うのです。

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