2019年5月

母語の重要性 2017.4

  

 日本に生まれ、当然のように日本語を使う人間として、日本語ほど完成度の高い言語はない、と、しばしば日本語を大絶賛する私は日本語に母国語として出会えたことを心から嬉しく思うのですが、「母語」という言葉はご存知でしょうか。母国語よりももっと本能的なものであり、生後数年間のうちに赤ちゃんが身近でよく関わる人たちから自然に受け継いだ伝承語のことで、一人ひとり異なっています。そしてそれは、その後の人生の知的活動において、思考するうえで最も重要な、言語感覚の土台を作るものなのです。

そんな母語を形成する大切な時期は4歳程度まで。何よりも日本語できちんと母語を作ることが何よりも大切なのではないかと思っています。日本語は比較的難しい言語です。母親を英会話教室の先生に持つ元NHKの有名なアナウンサーの方が、「それなら娘さんも小さい頃から英語に触れさせられますね!」という問いに「いいえ、3歳までに母国語の9話位以上を習得すると言われているので」と答えていたことように、小さいうちはお母さんの言葉で赤ちゃんに語りかけて、日本語の土台を築いてあげることが、その後の知的活動において何よりも大切なことだと私は思っています。

姿勢を正すということ 2017.3

先日テレビでやっていたのですが、なぜ人間は人間になり得たのか?ーつまり、どこで人間は猿や他の動物と分かれ、これほどまでに高い知能を有するようになったのか、そのカギは姿勢にあると言うのです。つまり四足歩行から背筋を伸ばし、直立歩行になった事で重たい頭を支えることができ、脳を大きくすることが可能になったという事なのです。

 という事は、勉強する時にも姿勢はとても大切。確かに前屈みで猫背になると、呼吸が浅くなり、集中が長続きしません。教室でも集中力が続く子を見ていると驚くほど姿勢が良い子が多く、中には椅子の座席に正座をして背筋をピンと伸ばしている子までいます。

ただ、家庭で子どもの勉強を見るとき、学習時間や取り組み内容は気にしても、姿勢については案外二の次になってしまいがちではないでしょうか。

また、正しい姿勢を保つには、やはり机と椅子の高さを合わせる事もとても大切。進級、進学に合わせて伸び盛りのお子さんたちのために、机と椅子の高さを一度、チェックすることをお勧めします。

イットイズノットディスデイ! 2017.2

 「継続は力なり」とはよく言われることですが、実はすごく大変なことです。ことさら勉強を毎日続ける大変さは並大抵のことではありません。やめちゃおうかな…今日くらいは…色々なささやきに立ち向かう言葉として、「ロードオブザリング」という映画の一説をご紹介します。「いつか戦いに敗れ、人の時代は終わりを迎えるかもしれない。だがそれは今日ではない。恐れず戦え!」 この言葉は、すべての継続することにつながってはいないでしょうか。子供たちにとっての勉強を始め、何事も続けることはとても大変で誰しも辞めたくなる時もあると思います。ですが、その時に「いつか辞めちゃうかもしれない。でもそれは今日ではない」と、自分に言い聞かせながら一日一日、積み上げていくしかないと思うのです。そしてこれは、子どもたちだけでなく日々、子育てや仕事や食事の支度等を頑張っているお母さんたちにも思い出してほしい言葉なのです。何を隠そう、私自身今日は疲れた、、、何もしたくない、、、という時に、「もう何もできない日が来るかもしれない…でもそれは今日ではない!」と自分を奮い立たせている言葉なのですから 。

忘れられない言葉 2017.1

 以前娘が百人一首を題材にした漫画にはまり、私も少しだけ目を通したのですが、その中にハッとさせられるセリフがありました。

主人公の女の子は百人一首に関しては一流ながら、その他はさっぱりで勉強も赤点ばかり。でも同級生の男の子のほうは学業もトップで常に一番を取っています。その女の子に仲間の一人が言うのです。「好きなことを目一杯やりたいと思ったら、好きじゃないこともそれと同じくらい頑張らなくちゃいけないと思う」と。そして、「彼は1番じゃなくなったらかるた辞めるって親と約束しているから、勉強だって頑張ってるんだ」と続けるのです。

好きなことを頑張れるのは、ある意味当たり前。でも、好きなことだけやってればよいという状況は、人生の中にどれだけあるでしょう?子供たちにとっての勉強も同じ。勉強以外に大切なことはたくさんあるけど、だからと言って勉強をしなくていい理由にはなりません。やはりどちらも大切だし、どちらも頑張らなくちゃいけない。(特に夢を叶えるためにはやりたいことだけをやるだけでなく、やりたくないことも一生懸命やることが大切なのです。)回り道をしているように感じられても、それはきっと今後の人生の大切な糧となると思うのです。

子どもとの約束、守っていますか。 2016.12

   

 子どもたちとの関わり方に悩む人の声を聞くことがあります。私自身も子育てに関しては未熟者で偉そうなことは言えないのですが、小中学生の声を聴くことが多いのも事実なので、その中で感じることを書くとすれば、子供たちはわけもなく怒ったり反抗しているだけではないと言うこと。例えば自分は忘れ物をすると怒られるのに、怒った大人は忘れても謝らないのはおかしい。また、大人に間違いを指摘すると認めないなど、子供たちは意外と冷静に大人を見ています。私が心がけていることは、自分ができないことを子供だけに求めないと言うこと。自分が本を読まないのに子供に本を読め、ではなく一緒に図書館に行って、お互い好きな本を1冊ずつ借りて読もう、と誘ったり、勉強も子供が頑張っている時は親も楽しいことは我慢する等。そして「子供のくせに」という言葉は使わず、子供も人格を持った一人の人間だと常々意識する。また、自分が間違えたと思ったら潔く謝る。ちょっと恥ずかしい気持ちもわかります。だけど、大人と子供である前に、人と人として誠実に向き合うことだけは忘れたくないと思っているのです。 ,this._shortW

「ワークハード、ワークスマート!」 2016.11

   

 少し時間が経ちましたが、日本ハムファイターズが優勝しましたね。私は野球観戦が好きで沢山の試合を観てきましたが今年のファイターズは本当に凄かったです。6月時点で首位に11.5ゲーム差をつけられ3位。正直今年の優勝は諦めていたファンが殆どだと思います。…が、15連勝で勢いに乗り、その後も順調に勝ちを重ねて奇跡的な逆転優勝。言葉では言い表せないくらい感動を与えてくれました。

なぜ優勝できたのでしょう。もちろんたくさんの歯車がうまくかみ合ってこその結果であり一言では言い表せませんが、やはり何と言っても選手一人ひとりが優勝できると信じていたこと。そしてそのためにがむしゃらに努力をし、また、勝つための戦略を監督も必死に考えたこと。それに尽きるのかなと思います。子供のころ伯父に教えてもらった、ロッキー青木さんの「ワークハード、ワークスマート」という言葉があります。夢を叶えるためにまずはがむしゃらに努力すること。そしてどうすれば叶うか戦略を練ること。

いよいよ受験シーズン突入です。あきらめるにはまだ早い。夢をか叶えるために、今こそがむしゃらに努力してみませんか。

辞書、使ってますか? 2016.10

  先日、ある学校の英語の授業を見学する機会があったのですが、その時驚いたことは、全員の机の上に辞書が置いてあったこと。当り前に思うかもしれませんが、中学校までは習った単語が教科書の巻末に出ていることもあり、わざわざ重たい辞書を持って学校へ行っている人はどれだけいるでしょう?

でも、いつかの先生が言っていたことを思いだしました。「辞書には、余計なことがたくさん書いてあるから良いんだ」と。そう。教科書の巻末は、基本的に教科書で使った意味しか載っていませんが、辞書にはそれ以外の意味や例文、連語などたくさん載っています。邪魔に思うかもしれませんがそれこそが辞書の良いところなのです。

そしてそれは国語の辞書にも言えること。小学生時代、どんどん辞書を引かせ、言葉の意味を調べさせてくれた先生がいました。結果的にその時につけた語彙力は国語の力につながり、分からないことはとことん調べる今の自分の土台も出来上がったように思います。

国語が苦手な子の指導をしていると、驚くほど言葉の意味を知らないで問題を解いていることが多々。大人にとっては当たり前の言葉も、子どもにとっては新しい言葉だったりします。国語辞典を引く癖を小さいうちにつけておけば、英語の辞書への抵抗も少なくなるのではないかと思っています。

効率よく身につけるために 2016.8-9

 前回、ブレークポイントを迎えるまで勉強は続けることが何よりも大事という話をしましたが、確かに勉強しているのに効果が上がっていない生徒を見かけるのも事実です。

まず一つ目に多いのが、机には向かっているけれど、実は本当に勉強していないという場合。たとえばノートの表紙に教科名を書くだけでも色とりどりのペンで飾り付け始め、30分も1時間も費やす子がいます。その他にもいたずらに時間は過ぎているものの、集中して取り組んでいる時間はほんの少し…という人は意外と多いと思います。勉強は目的ではなく手段です。目的は覚えること。身につけること。そのための勉強なのですが、「ただ勉強すればいい」という姿勢で工夫も何もなく、時間を費やすだけの勉強は本当にもったいないと感じます。

 もう一つは、学校の授業を疎かにしていること。学習の基本は学校であると私は常に考えています。学校で覚えられることは覚えてしまえば、その分家での勉強時間が短く済む、あるいはその分他の勉強に時間を充てることができるのです。つづく

目指せブレークポイント! 2016.7

 「勉強しているのに、思うように成績が伸びない」。よく聞く悩みの一つです。

 スポーツに例えるとよく分かってもらえるのですが、毎日100メートルを10本ずつ走ったからと言って、毎日0.1秒ずつタイムが縮むわけではありません。野球にしてもそう。毎日素振りをしたからと言って、素振りの量に比例してヒットが打てるようになるるわけではありません。それでも、やめずに練習を続けて続けて、続けた結果、ある時ふっとタイムが上がる、ヒットが打てるようになるという、ブレークポイントが訪れるのです。

勉強も同じです。毎日の学習量に比例して、順調に学力がつくならばそんな簡単なことはありません。やってもやっても点数が上がらない、成果が出ていない(ように見える)時期は誰でも必ずあります。肝心なのは、だからと言ってそこでやめてしまっては、永遠にブレークポイントは訪れないということ。それでも続けていると、火山が爆発するように、それは突然訪れるのです。勉強に魔法はありません。効率についてはまた改めて述べるとして、まずは、「続ける」ことがもっとも大事なことだと思います。

学校ワークの活用法 2016.6

 今回は主に中学生のお子さんを持つ方へのお話です。中学へ入ると、教科書のほかに「学校ワーク」が配られるところが多いと思います。市販のものに比べて安価で教科書にしっかりと沿った内容、定期テストへの出題も多く、素晴らしいものばかりです。

…が、お子さんたちは、果たしてうまく活用しているでしょうか?先生の方針にもよりますが、定期テストの時期に合わせてテスト範囲までのワークを宿題・提出させる学校が多いと思います。すると、試験寸前まで手を付けずに、テスト前に大慌てで取り組み、とにかく穴を埋める、最悪の場合、答えを丸写しで提出して「やれやれ」という子も。これでは内容も身につきませんし時間ばかり取られて肝心のテスト勉強もできません。

 学校ワークは宿題に出されていなくても、学校で習ったところまでは必ずその日のうちに取り組んでしまうのがベストです。それが無理でもせめて1週間ごとに進度をチェックして、絶対に溜め込まないこと。習慣になるまでは毎週土曜日にお母さんがチェックして、終えてない分は日曜日にまとめてやるのもよいと思います。勉強の基本は学校と家庭。この両輪がうまくかみ合って初めて成績は大きく向上すると思います。

上部へスクロール