2019年5月

鍛えよ、自学自習力! 2016.5

   

以前も書きましたが、勉強するうえで最も大切なことは『自学自習力』だと私は思います。最終的に、勉強とは一人でするものであり、自分以外の誰も頼りにせず、自らの力にしていくしか方法がないからです。

(また、自分の経験からも、教授されて得た知識よりも、自ら学び取った知識のほうがより深く理解、定着します。自分で「なるほど!」と、すとんと理解した知識って、後後まで覚えていませんか?)

ただ、ひとりで努力することが大変なのも、また事実です。そして、最初からすべて、と欲張るとあっという間にばててしまうので、まずは1~2教科、死に物狂いで頑張ってみませんか。教科は、小学生は国語算数、中学生は数学と英語が基本ですが、やる気になれる好きな教科を一つ入れてもよいと思います。5教科全てを5点ずつ上げるよりも、まずは1教科30点アップを目指し、達成したら努力を大いに褒めてあげてください。自信がやる気を生み、それこそが自学自習力を育むうえで最も大切な基本となります。

「なんで勉強するの?」と訊かれたら 2015.10-11

 この仕事をしていると、毎年必ずと言っていいほど、このような質問を投げかけられます。「大人になって、方程式とか、使うことってないじゃん」とも。そんな時私は「そうだね。その通りだよ。学校や塾の先生にでもならない限り、まず使うことはないよね」と答えるので、大抵の生徒は面食らった顔をします。それじゃぁなぜ、勉強するのか。

人生は、予測不可能なことにぶつかり、それを乗り越えていくことの繰り返しです。そんな時、私たちは、今までしてきた経験をもとに、どうすればよいか考え、最善の結果になるように対処をしていきます。

脳みそが柔らかい若い時期に、たくさん頭を使って考える訓練をしてきた人は、何かにぶつかった時に、自分で考えて行動する力が備わっています。だけど、頭を使わないで生きてきた人は、いざというときに考えることができない。だから、方程式を使うことはなくても、頭をこねくり回して一生懸命勉強し、考えたことは、必ず将来の自分に役立つと思うのです。

もうひとつ。これは主に高校受験生に向けて話すのですが、おそらく人生において全ての人が最も勉強する時期が中学3年生の1年間です。受験する人が限られる大学と違い、ほぼすべての人が高校へは進学するからです。

この時期に、死に物狂いで勉強を頑張れた人は、この先の人生で何か大変なことに出会っても「高校受験の時、あんなに頑張った自分だから、これくらいは」と、何事にも逃げずに頑張ろうとする力が備わる。頑張りは必ず自分への自信につながり、糧となり、自分の人生においてかけがえのない財産となるのです。

 私は、今までたくさんの受験生を見てきましたが、結果云々でなく、やることもやらずに後悔することほど見たくないものはありません。「勉強しかしなかった。あの頃に戻るのだけは、勘弁だよ」人生の中に、そんな風に言うくらい死に物狂いで勉強に取り組む時期があってもいいと思いませんか。

ノート作りのルール作り 2016.4

 進級、進学の季節ですね。定期テストまでちょっと間が空くこの時期に徹底するとよいことは、ノート作りのルールを作ること。ノートを新調してやる気になっている今がチャンスです!以前「東大生のノートはみな必ず美しい」という本が流行しましたが、うちの教室でも成績が伸びている子のノートを見せてもらうと、本当に驚くほど美しいです。後から振り返って自分がどんな躓きをしたのか、そしてそれが正しく直されているまでの過程が、他人が見てもよくわかるノートを作っています。全部は無理だよという人は、まずは算数(数学)と英語(小学生は国語)から始めてみるとよいでしょう。その際、お母さんに気を付けて確認してほしいことは、日付やページを必ず記入する、算数は計算の途中をすべてノートに書く、そして=(イコール)にこだわること。よく見てみると右と左の式の値が異なるのに平気でイコールで結んでいる子が意外と多かったりするのです。ノートを作ることは、回り道をしているように感じられるかもしれませんが、学年が上がれば上がるほど、ノート作りを疎かにするしないの差が学力に表れているように感じます。

親子喧嘩には、「ママ先生」で対応を 2016.3

 もうすぐ春休み。そろそろ1年間の復習をして新学期に備えたい時期です。でも、自分の子どもの勉強を見てあげると、ついつい喧嘩になってしまいませんか。我が家も例外ではありませんが、これは良くも悪くも親子だから。距離が近すぎるゆえ、お互いつい余計なことまで言ってしまったり、真剣に聞かなかったり。

こんな時、たとえ家でも勉強する時間は『ママ先生』になってみましょう。「今から60分間、ここは〇〇塾ですよ」と切り替えをして。眼鏡等をかけてみるのもよいかもしれませんね。とにかくいつもの『ママ』ではないというのがポイント。「ママ」などと呼ばれたら「誰それ?」とあくまでもクールになりきって。そして、良いところはたとえ小さなことでも大げさなくらいほめてみる、分からなくたってイライラしない、怒らない。先生として接してみると、子供のやる気になるポイントが冷静に見えてきませんか。

身近な人が子供の勉強を見る、ということは、実は素晴らしいことです。どうせなら、それを最大限に生かせると、親子ともどもより成長できるのではないかなと思うのです。

「分かったつもり」にご用心!2016.2

 私は毎日、いろいろな質問をされ、その都度説明をします。一通り説明をすると生徒たちも「なるほど」と納得し、スッキリにこにこ。でも、教えられてわかったからと言って、同じ問題を最初から自分の力で解けるかというと、実は案外解けなかったりするもの。「教えられてわかった気になる」ことと、「自分の力で問題を解く」ということは全く別物ですから。自分の力で解けるようになるためには、教えてもらってわかった気になって終わるのではなく、その問題をもう一度自分一人で解いてみること。欲を言えば類題を何題か解くとより効果的です。なので私は必ず、「家でもう一度やってみるんだよ」と声をかけます。それでできなかったら何回でも聞きなさい、とも。

「うちの子は同じような問題を、何回教えてもできない」と思っているお母さんたちはいませんか。教えた時に「なるほど、わかった!」といわれて、そこで終わっていませんか。解法を教えることはもちろん大切です。ですがもっと大切なことは、その問題を、もう一度初めから最後まで自分の力で解いてみる、ということ。それこそが、力の定着につながるのです。

目指せママコーチ! 2015.12-2016.1

 

 この仕事を続けて、最初の頃と明らかに変わったことがあります。最初私は、いかにうまく教えるかが成績を伸ばす一番のカギだと思っていました。ただ、こちらが酸欠になりそうなほどたくさん口で説明して教えても、成績が上がること上がらない子がいる。その違いは何か。

それは結局、教えられたことを定着するための工夫をしているかしていないか。難しい言い方をしてしまいましたが、要は、覚えるために類題をたくさん解いて演習をしたり、教えられたことをノートにまとめたり、効率的な学習をすることによって、覚えたことを忘れずに定着させているか、なのです。それに気づいてから私が意識していることは、ひとり一人のコーチになること。教えられた知識よりも自分で学び取った知識のほうが確実に頭に残るので、ただ教えるのではなく、知識が効率的に定着するように勉強のメニューを考えて取り組んでもらう、ということです。そして、それは、ご家庭で一人ひとりの保護者の方もできることなのではないかと思っています。

「勉強しなさい!」つい言ってしまいがちな言葉です。小学校高学年は1時間程度、中学生になると数時間は勉強するように指導もされます。でも、子どもひとりの力で、勉強しなさい、と、放り出されても、どうやったらいいかわからなくて当然。私は、ある程度学習習慣がつくまでは、学習メニューを保護者の方が考えることは大切だと思います。ただ、その時に、ただこれをやって、次はこれ、と、やみくもに上から押し付けるだけにはならないこと。最終的に『自学自習力』、ひとりで学び育む力をつけることが大切なのですから、間違えた問題は必ずノートに解きなおし、答えだけでなく過程もすべてノートに残そう、など、効果的な学習の方法をアドバイスすること。子どもが意外と『端折り』がちなところにこそ大切なことがあったりします。そこを見逃さないで指摘してあげてほしいのです。ある程度学習方法が分かってきたら、ママコーチは卒業しても、学習習慣と正しい方法で学習する力をつけた子どもたちは、壁にぶち当たっても、大きく躓かずに乗り越えていくことができると思うのです。

「間違いこそ、宝物!」2015.9

 前回、計算ミスを侮るな、という話をしましたが、今回も間違いについて。

時々「間違いをこっそり直して、○をつけている」子に出会うことがあります。「解き直しするのが面倒くさい」からやっている場合は一言注意すると直るのですが、要注意なのが、正解にのみ価値があると思っている場合。認めてもらいたい気持ちの表れでもあり、また、プライドを傷つけないためにもただズバリと指摘するわけにはいきません。

こういう場合、まずは私は気づかぬふりをします。でも、答え合わせを本人にさせずに私が行うようにする。そして、間違いがあった時にこそ大げさなくらいに褒めるのです。ソクラテスの有名な言葉『無知の知』の話をすることも。そして、「間違いを見つけて、そこを一つ一つ直していくことが本当の自分の力につながるんだよ」と言い続けるのです。皆さんは、お子さんを褒めるとき、どのように褒めていますか?結果のみを褒めていませんか?同じ100点を褒める場合でも、「100点をとったこと」を褒めるのではなく、「100点をとれるくらい頑張ったこと」を褒ること。そして、100点をとれなかった時にも、できなかったところを指摘するだけではなく、できた部分も振り返ってあげること。子供の自己肯定感が育つにつれ、こっそり直しは減ってくると思います。

「レコーディングのすすめ」2015.8

 数年前、「レコーディングダイエット」なるものが流行しまことを覚えていますか?このダイエット法は、ひたすら毎日、食べたものを記録していく、という単純なもの。なのになぜか、体重がみるみる痩せていく…という、夢のようなダイエット法です。これは、目に見える形にすることで、自然と食べる量を調整したりしていることが原因のようです。

私は学習にも同じことが言えるのではないかと思い、塾生には家庭学習を毎日記録してもらっています。1行日記のように、毎日、始めた時間と終えた時間、学習教科、学習したないようを記録してもらい、チェックします。私自身気づいた時に「最近、英語頑張ってるね!でも、、、数学は?(笑)」と声をかけることもありますが、塾生自身が、1日、1週間など単位ごとに振り返り、「今週は数学の時間が足りないから今日は数学からやろう」など、学習記録表から多くのことに気付き、次の学習に生かしています。ざっくり書いている人もいれば、ページ数まで細かく記入する子も。ご家庭でもノートなどを利用して簡単にできるので、取り入れてみてはいかがでしょうか。続けるときっと、記録以上の財産になるはずです。

「計算ミスを、侮るなかれ!」2015.7

 私は仕事柄、答案用紙を目にする機会が多いのですが、よく見かけるのが計算ミスなどの『ケアレスミス。』「分かっていたけど、つい…」というような言い訳もよく聞きます。

ですが、ちょっと待って!ケアレスミスをする原因は、間違いなく、実力不足。ズバリ十分に演習(似たような問題をたくさん解くこと)していないからなのです。

高校時代の化学の先生から聞いた興味深い話なのですが、「高校に入ってすぐ、因数分解でつまずき、ちんぷんかんぷんに。そこで、サインペンを30本買ってきて、毎日ペンが出なくなるまで問題を繰り返したところ、ペンが全部なくなる頃には問題を見るだけで答えが浮かび上がってくるようになった」と言っていました。

正しい方法を学び理解しているはずなのに、なぜかミスをしてしまう。それは単なるミスではなく、力がついていないのです。そして、文章題を苦手にしている人は、計算ミスが多いのも事実です。「単なるミスだから」といって安心するのではなく、まずはミスがなくなることを目標に、計算は毎日繰り返して解きましょう。

「テレビを消して、親子一緒の学習時間を」2015.6.

「テレビを消して、親子一緒の学習時間を」2015.6.

さて、お子様たちも進級して2か月余りが過ぎ、新しい環境にも慣れてきた頃でしょうか。夏に向かうこの時期は、部活動なども本格化し、外での活動時間が増える時期でもあります。ですが、実は、今の時期こそ学習習慣をつけるべき、最も大切なとき。とは言え、実際、学習習慣をつけることはなかなか大変です。「やりなさい!」というだけでは、子供たちには通じません。そこで、私がお薦めするのは、子供が学習する間だけは、テレビを消して、親子みんなで机に向かう時間にしてみたらどうでしょうか。別に勉強でなくても家事でも勿論よいと思います。ただ、子供だけ頑張るのではなく、家族みんなが協力する、という姿勢を見せることが大切だと思います。夕食を食べたら、テレビをパチン!今日から始めてみませんか。

上部へスクロール